Brillbate BR-REPLICA

そのサウンドのターゲットは50年代のレスポール

ブリルベイトのLPタイプギターBR-REPLICAは、50年代のレスポールのサウンドを得るために積み上げてきた研究結果をすべて注ぎ込んだ特別な一本です。再現不可能といわれてきたあのサウンド/トーンを追い求めた結果がここにあります。その結果は本物と引き比べることでしか検証することは不可能です。ぜひ、あなた自身の耳でサウンドを聞き比べてください。

サウンド、素材、製法、すべては理想的な一本を作るために

きっかけは、50年代のバーストを触れる機会に恵まれたこととそのサウンドの重要性に気づかされたことでした。仕事柄、さまざまなギターに触れさせていただくのですが、ヴィンテージギター特有の主張の強い音をどうにか新品のギターで再現できないかと考えたわけです。

ギターに必要なアタックの帯域と発音、サスティーンにできるだけ多く残って欲しいトーンバランス。それらを考慮していかにギター本体から出るトーンバランスや倍音をあらかじめ整理してやるかを重視しました。「生音から出る倍音やアタックが豊かで整理されているか?」それに尽きると。

ギター本体から出るトーンがバランスを崩しているとどうしてもピックアップやエフェクターに大きく頼らざるをえないわけですが、フィルターをかけすぎるとどうしても音が遠くなってしまうことが多いように感じます。エフェクターにしてもアンプにしてもトーン回路で補正をかけるということはグランドへ音の情報量を捨てているという形になります。もちろん不要な帯域はカットするにこしたことはないのですが、同時に必要な部分まで引っ張られてグランドに落ちてしまうことがあります。であれば、最初から必要な帯域をしっかり鳴らしてそのままアンプまで届けられるギターを作ろうということで、本体の鳴り方や発音の仕方をコントロールする方法を探しました。

結局のところヴィンテージギターのように安定した木材で作られたギターほど音が完成していることが多く、我々のギターでもヴィンテージギターと同様に木材を古材化させる処理をすることで整理されたトーンバランスを実現させる手法をとっています。

もちろん木材以外の素材もサウンドに大きな影響があることは周知の事実であると思います。特に使用する塗料によってギターの振動を大きく変化させてしまうので塗料の選定にも時間をかけて研究を重ねました。現在流通しているニトロセルロースベースのラッカー塗料は、環境配慮型のエコ塗料であったりキズやひび割れに耐性を持たせた機能的な塗料がほとんどです。しかし、そのような現代の塗料では艶や美しさを保つことはできてもギターの振動を止めてしまうことが多く楽器には不向きな物ばかり、、、。そこでブリルベイトでは、可塑剤などの添加物がほぼ入っていないラッカーを用意しすべての製品に使用しています。さらに下地となるウッドフィラー(目止め材)に関しても独自で成分を調整しオリジナルの配合で製造しています。このウッドフィラーに関しては、一般的なオイルベースであることには変りはないのですがブレンドするオイルの種類や配合の割合などすべてを自社で管理しています。塗装をする際に一番最初に木材に塗られる塗料であるにもかかわらずこの部分においては音への影響が語られることがないのですが、ブリルベイトではウッドフィラーの酸化による木材への効能を徹底的に研究し、ウッドフィラーの質にまで独自のノウハウを注入し音作りに役立てています。

接着剤は本ニカワを使用。本ニカワはその接着強度はもちろんのこと、経年変化によるサウンドへの影響が非常に重要な素材と言えます。ただし、接着時の温度管理や接着手順を怠るとすべてが台無しになってしまうという非常に扱いが難しい接着剤とも言えます。長年の経験を元に適正な素材と手順/工程をもってそれぞれの素材を活かす接着をおこなっています。

このBR-REPLICAは、50年代のバーストの形状を再現するため本物のバーストを採寸、すべてのポイントにおいて数値データを採取いたしました。バーストの見た目はもちろんですが、弾き心地やギターを構えた時の独特なタッチを得るために形状の追及は不可欠な物でした。もちろん50年代のレスポールは個体差も大きくそれぞれの弾き心地がありますが、特にネックの形状に関しては58年製と59年製のバーストのネックグリップの傾向を把握しBR-REPLICAのネックグリップに反映させています。アーチの形状はバースト特有の平面と局面のつながりを再現し、あの表情豊かなアーチ形状を作り出しています。

>Brillbate BR-PAF

Brillbate BR-PAF

《Brillbate BR-PAF/ NECK Nickel &BRIDGE Nickel 》をcollingsのCLに取り付けてみた。オリジナルのピックアップも決して悪くはないが、もう少しプッシュ感が欲しかったのだ。結果は大正解。
低音はタップリしていながらコモらず、中域の解像度が増してコードの分離感が良くなった。高域はピッキングのニュアンスそのままに、エッジをキープしつつウォームな芯が出せるから、フレーズの表現力が増した感じがする。
僕の大好きなヴィンテージPUのヴォイシングを味わいながら、同時にエフェクトの乗りも良いのには感心した。クリーントーンが素直で、歪ませても暴れ過ぎないから、ギターの持ち味を生かしてプレイするのが楽しくなる…そんな印象のピックアップに出会いました。

ギタリスト 渡辺香津美

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